快適な治療を目指して
一般的に、矯正歯科治療はほかの歯科治療に比べ治療期間が長くなります。長いことはわかっていても、やはり口の中に装置を入れておくのはわずらわしいものであり、「できるだけ早く治療を終わらせてほしい」という声をよくいただきます。
従来の矯正治療における一般的な症例は、治療に1~3年ほどかかるとされていますが、くらしま矯正歯科では、できる限り治療期間を短縮できるよう努めています。効率的に歯を動かせる治療方法を導入し、患者さまに快適に治療を続けていただくことを目指しています。
治療の流れ
1初診相談(所要時間30分)
歯並びや口元の状態で、どのようなことが気になっていらっしゃるか、詳しくお話をお聞きします。お口の中を見せていただいたあとに、歯並びの問題点や一般的な矯正治療の流れ、費用についてわかりやすくご説明します。
2精密検査(所要時間60分)
顎骨の成長のバランスや位置関係、歯の状態を把握するため、レントゲン写真、口腔内写真、顔面写真を撮影し、歯型採取や顎の動きの検査などを行ないます。また、虫歯のなりやすさを知るためにだ液検査を行ないます。
3診断・治療計画の説明(所要時間30~60分)
精密検査の結果をご報告します。考えられる治療方法を複数あげ、それぞれの治療内容、メリット・デメリット、治療期間・費用などについて詳しくご説明します。患者さまのご希望のほか、不安や疑問などをお聞きして、解決法をご提示しながら、最終的に患者さまが納得してお選びになった治療方法で、治療を進めていきます。
4矯正治療(所要時間30~60分)
虫歯になりやすい方は、矯正治療を始める前に虫歯菌を化学的に除菌します。実際に装置をつけて治療が始まったら定期的に来院いただき、ワイヤーの交換や装置の調節をして歯を動かしていきます。また、来院ごとに歯磨きの練習やPMTC(クリーニング)を行ない、虫歯や歯周病の予防をしながら治療を続けていきます。
5メインテナンス(保定)
装置を外したばかりの歯は、元の位置に戻ろうとするため、取り外しのできる保定装置(リテーナー)を使い、美しく整った歯並び、噛み合わせを安定させます。4~5ヵ月に一度来院いただき、噛み合わせと虫歯・歯周病のチェックを行ないます。
リスク・副作用について
●矯正治療にともなう一般的なリスク・副作用
・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に1年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~2年、永久歯がすべて生えそろったあとに行なう第2期治療で1~2年半を要することがあります。
・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
・治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メインテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
・治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
・矯正装置を誤飲する可能性があります。
・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
・装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
・装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
・顎の成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
・治療後に、親知らずの影響で歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
・加齢や歯周病などにより、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
・公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・歯科医院でのクリーニング・PMTCだけでは、虫歯・歯周病の予防はできません。日ごろから歯磨きなどのケアに努めることで、予防効果を上げられます。
・歯肉の腫れや歯肉炎のある方は、器具が当たることにより痛みや出血をともなうことがあります。
・歯と歯肉の境目への歯石の付着が多い方は、歯石除去後、歯肉から出血が見られることがあります。多くの場合、クリーニング後しばらくすると出血は治まり、1~2日で歯肉は治癒します。
・着色汚れや歯垢・歯石はクリーニング・PMTCで除去できますが、効果は永続的ではありません。いずれも再付着するものなので、定期的に受診して処置を受けることが大切です。